冷たい迫力を宿す、Murmur Mirror
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はMurmur Mirrorをご紹介します。
繊細なバランスで世界を描いて
2024年より活動を開始、3人のメンバーからなる東京の宅録系ユニット・Murmur Mirror。最新シングル『すやすやポーラーベア』が2026年2月3日にリリースされた。
80年代以降のシューゲイズやポストパンクからスウェディッシュポップまで幅広い音楽に影響を受け、ざらつきながらも透き通った音を鳴らす3人。今作『すやすやポーラーベア』は、ノイジーに歪んだギターが生む浮遊感とメランコリックなリフから感じる気怠さ、ひんやりと冷たくもシュールさが滲む歌が独特なバランス感で噛み合う1曲だ。
冬に焦がれながら夏を過ごすホッキョクグマ(=ポーラーベア)を描写した歌詞は、一見ファンタジーな手触りがありながらも、その実かなりシリアスだ。自分の力だけではどうにもならない環境の影響を受けた飢餓に直面し、少しでも穏やかな夢を見ながら耐え抜くポーラーベアの姿は、人間の生活における貧困や飢えへの不安ともリンクする。言葉を噛み砕くほどに、現実離れした浮遊感を纏うサウンドとの親和性と一抹の恐ろしさがひたひたと迫る、柔らかな迫力を持った1曲である。
