paioniaが即席結成から10年積み上げて得た今とこれから

インタビュー

『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップして紹介するインタビュー企画。第1回目はpaioniaが登場。

即席バンドから10年

音楽始めたきっかけを聞かせてください。

菅野:

僕は二つ上に姉がいて、高校生の頃に太陽族とか銀杏BOYZのコピーバンドを組んでいてすごく楽しそうだったんです。それで興味を持ってベースを始めて、いつか自分もバンド組めたらいいなって思ってたんですけど、バンド組む友達とかもいないから、高校は祖母の家の2階で黙々とベースを弾いてるだけの3年間でしたね。

高橋:

へんてこりんなやつだよね。

高橋さんはいかがですか?

高橋:

僕は親父が吉田拓郎と井上陽水が好きで、家でたまにアコースティックギターを弾いてたんですよ。それで小6の時に「お前もやれ」ってギターを渡されて、嫌々やってたんです。でも、それがいつの間にか楽しくなって…。

楽しくなるタイミングはどこだったんですか?

高橋:

普通、ギターってコードから練習するじゃないですか。初めはコードの移動もスムーズにできなかったんですけど、それが初めてスムーズに「C−G」って鳴らせた時に「音になった」と思ってゾワっとしたんです。

どんな曲を弾いてたんですか?

高橋:

最初19やゆずを弾いてました。でも、中学に入るとエレキギターが弾きたくなって。それで、何を思ったか、絶対誰とも被らない音楽をやりたいと思ってビジュアル系にいったんです。当時はPIERROTにどっぷりハマってました。

今のバンドと比べると、すごく意外な方向ですね。バンドも組んでたんですか?

高橋:

高校に入ってから、ビジュアル系バンドを組んでました。当時は歌は歌わず、ずっとギターでしたね。

そんな二人はどこで出会ったんですか?

高橋:

高2のときにジャズ研究部で出会ったんです。

ジャズを演奏する部活ですか?

菅野:

いや、みんな部室に機材が一通りあるっていうことだけで入るので、好きな曲をやってました。

その時は二人で一緒にバンドをやろうはならなかったんですね。

菅野:

高橋がビジュアル系やってたからね。

高橋:

そっちの方が忙しかったんで(笑)。と言っても、高2くらいから違和感を感じはじめて、菅野とか他の部活の友達たちからいろんな音楽を教えてもらったんです。その中で一番デカかったのがSyrup16gでした。そこから、今の方向になったというか。

二人が一緒に始めるきっかけは何だったんですか?

高橋:

高校を卒業して、菅野はストレートで大学に行って、俺は浪人したんですけど、その時に地元の福島でヤマハ主催の「ミュージックレボリューション」っていう大会に出てみようって話になって、即席っぽくバンドを組んで、オリジナルで曲を作って出たんです。

菅野:

それが初めて作った曲かな。

高橋:

歌詞から歌メロから全部作ったのはそれが初めてでした。それを引っさげて、先輩にドラム叩いてもらって。でも、出たら「カポの位置が高すぎる」って言われただけでなんともならなかったっていう(笑)。

でも、そこからずっと今まで二人で続けてるっていうことなんですね。

高橋:

そうですね。その後大学に入ってサークルでドラムを見つけて、3人で改めて始めたんです。初めてのライブは吉祥寺WARPに出させてもらいました。

もう10年ぐらい一緒にいて、お互いはどういう存在ですか?

高橋:

バンドメンバーで、友達で、同級生で、この関係性は他の何にも当てはまらないというか…。

菅野:

飲みにいったりとかしないしね。

高橋:

そんなに一緒に遊んだりとかはしないね。

菅野:

バンドメンバーとしては彼は真面目だと思います。 他の人とがっつりバンド組んだことないからわからないけど。

高橋:

俺は自分でもわかってるんですけど、色んなものに影響を受けやすいんです。シロップを教えてもらった時からそうなんですけど。でも、バンドは俺の感覚だけでやっていくものじゃないんで、色々な場面でハッとしたり、忘れかけていたものを気づかせてくれたりしますね。

人生は自分一人のものじゃない

結成から10年を経て、1stアルバムをリリースされてますが、収められている楽曲はいつ頃書いた曲ですか?

高橋:

一番古い曲だと8年前くらいに作ったものですね。

この10年で自分で「一番変わったな」と思った部分はありますか?

高橋:

10年前はめちゃくちゃ凝り固まってたので「これしか聴かない!」って感じだったんですよ。その頃に比べると単純に聴く音楽がすごく増えたので、自然に曲のバリエーションが増えたかなって思います。

いろんな曲を聴こうと思い始めたのはなぜだったんですか?

高橋:

信頼できる人間からオススメされた音楽は素直に聴けるんですよ。そういう人との出会いがなかっただけかなって思います。バンドの友達とかあまりいないので。

あまり積極的に交流しない派ですか?

高橋:

前はそうでしたね。ただ、ここ1、2年お酒のおかげでコミュニケーションの鬼みたいになってますけど(笑)。

初期は「さらけ出してる」っていう感じでしたが最近の楽曲を聴いていると、歌詞で書きたいことが変わったのかな?という印象がありました。

高橋:

変わりましたね。それも、ここ1、2年かな。それまでは本当に自分のことばっかり書いてたんですけど、30歳に近づくにつれて、周りの人が結婚したりとか見てると、人生ってやっぱ自分一人のものじゃないんだなって思って。「跡形」っていう曲とかはそうなんですけど、他人を巻き込んだ歌詞というか、誰かのために生きたりとかを考えるようになりました。

先日リリースした『きれいすぎた/bed』はアルバムから繋がりのある作品になるのでしょうか?

高橋:

いや、逆ですね。『白書』までで一旦終わって、ちょっとイメージを変えようかなっていう意識はありました。特に「bed」はこれまでにない曲になったと思います。

今回は配信だけのリリースですよね。

菅野:

『白書』を出して、そのあと<フジロック>に出させてもらって、その流れを断ち切りたくなくて。まだ僕らは売れたいと思ってて、自分らのペースで届く人にだけ届いてくれればっていうモードではないので、途切れさせないっていう意味でも配信ってすごく良い機会だと思ったんです。

では、2019年はどんな活動を予定していますか?

高橋:

まだまだ売れるつもりでいるんで、止まらないように行きたいです。先日開いた<魂とヘルシー>っていう自主企画もすでに2019年の日程や出演バンドも決まっているので。
あと、音源もやっぱり最終的にはフィジカルにしたいとは思っています。俺自身、昔から音源はシングルも全部集めたい人だったんで。アナログでのリリースもいつかやってみたいですね。

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