SAKANAMON

インタビュー

“消えたくない、飽きられたくない、いいと思ってほしい”
SAKANAMONの”今”を詰め込んだ三者三様の3ヶ月連続シングル

“10周年”という言葉の力を最大限に利用して、華やかな2018年を駆け抜けたSAKANAMONが3ヶ月連続配信シングルをリリースする。バンドが次のフェーズへと進む決意を高らかに宣言する「コウシン」、節分にピッタリのユーモラスな和テイストの「鬼」、別れと旅立ちのストーリーを想像させるミディアム・テンポの「アフターイメージ」。三者三様の世界を描く曲たちには新たなチャレンジもあり、11年目のSAKANAMONがさらに唯一無二の道を突き進んでいくことを十分に感じさせるものだが、以下のインタビューで、藤森元生と森野光晴は、”迷っている”と明かしている。売れないことすらネタにして、ここまでマイペースに歩んできたSAKANAMONが今何を思うのか。話を訊いた。

-10周年イヤーを終えてリリースされる3ヶ月連続の配信シングルですけど。どうしてこういう出し方を選んだんですか?

森野:ぶっちゃけた話をすると、本当は去年の夏ぐらいからアルバムを作ろうっていう話をしてたんですよ。でも録っていく段階で、まだ盤として完成させるには早いな、みたいな感じになってきて。もうちょっと粘ってみようって。

藤森:アルバム自体は進行中なんですけど、さすがにそろそろ新曲を聴きたい人もいるだろうということで。3月からはツアー”SAKANAMON THE UPDATE TOUR ~BUDDY→Victor→TALTO~”もやるし、3ヶ月連続で曲を出していったら面白いんじゃないかっていう方向に切り替えたっていう感じですね。

-今作ってるアルバムの方向性は何か見えてるんですか?

藤森:それが、実はかなり迷ってるんですよ。毎回アルバムを作るたびに、”もう次は作れない。アイディアもゼロだ。どうしよう?”ってなるんです。でも、毎回なんとかできてるから、今回もなんとかなるって言い続けてきて、まだ悩んでるっていう。

森野:今、その過程を見せてる感じですかね(笑)。

-進行中とはいえ、今回の3曲を聴くと、コーラスの作り込みに新しいアプローチも見えるし、バンドとして新しいことをやっていこうっていう意志は感じますね。

藤森:そうそう。新しいことをやってはいるんですけど、どこに行くかは固まってないんですよね。まだ、あんまりみんなで話し合えてないんですよ。ふわっとしたまま、僕が”曲ができた!”って投げ続けてる。

森野:これから1回ちゃんと立ち止まって考えようっていう。

藤森:ですね。今そこです(笑)。

-そのもがいている感じが、1月に発表した「コウシン」に出てるのかもしれないですね。

藤森:今作ってるアルバムの中でも、これが一番生々しく歌えた曲なんです。今までの「ロックバンド」(『・・・』収録曲)とか「テヲフル」(2017年リリースの4thミニ・アルバム『cue』収録曲)にも近いというか。さっき”迷ってる”って言いましたけど、その不安もこの曲では露呈してるのかなと思います。でも、ちゃんと希望を残してる。それが我々なんですよね。

-SAKANAMONが抱いている迷いの原因はなんでしょうね。今まで以上に売れたいと思うようになったのかな。節目の10年目が幸せだったぶん、次の10年に対する自分たちへの期待がデカくなったというか。

藤森:そうかもしれない。前回のワンマン、ツーマンでめちゃくちゃ安心できる部分があったんですよ。こういう場所を繋げていきたいっていう気持ちが強くなったんですよね。だから”売れたい”っていうよりは、”消えたくない”って思っちゃったのかも。飽きられたくないし、いいと思ってほしいし、少なくともファンの気持ちを裏切らないようにしたい。でも、そのファンがどんな気持ちなのかわからない(笑)。それが、今なんです。

森野:そうだね。3月から始まるツアーはリクエスト・ツアーなので、そこで見えてくるものがあるかなって思うよね。めちゃくちゃお客さんに頼ってるな。

藤森:2019年前半は模索の半年になりそうですね。みなさんの反応で楽しませてもらいますので、きっと次に何かを出すときには、答えが出ていることでしょう(笑)。

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