マカロニえんぴつ

インタビュー

たくさんの”ぽい”が入ってるけど
それで素通りさせずに”好き”に変える自信がある

前作『レモンパイ』を引っ提げ、昨年10月から開催した全国ツアー”マカロックツアーvol.6~甘すぎた青春の忘レモン篇~”は16公演中13公演でソールド・アウトを記録し、着実に勢いをつけているマカロニえんぴつ。彼らの新作『LiKE』からは、その過程で掴んだ確かな手応えはもちろん、不安や挑戦も窺えた。カッコつけきれない彼らの音楽が私たちの心をかき乱し、”トリコにする”のはなぜなのか。本作に込められた想いとともに探る。

-今作『LiKE』は歌始まりだったので驚きました。

本当は「トリコになれ」を1曲目にしたかったんです。バンドのことを歌ってるし、それで幕開けっていうイメージではあったんですけど、歌で始まるっていうのは歌詞を推しているバンドとしては自然かなと。結果、この歌始まりの「ワンルームデイト」は意外とハマったなと思ってます。尻に敷かれてる感じとか、自分がこういうタイプの人間なので(笑)。

-一番のお気に入りはどの曲ですか?

「ワンルームデイト」ですかね。この曲、最後に2回転調するんですよ。韓国のHYUKOHっていうバンドのライヴを観に行ったときに「Love Ya!」っていう曲で最後2回転調があって。それがグッときて”これやりたい”と思ったんです。あと「ブルーベリー・ナイツ」も気に入ってますね。この曲はツアー中にできたので、一番最近できた曲なんです。レコーディングの日が決まってたけど曲ができていなくて、でもリハーサルとかで忙しくてわりと追い詰められた状況のなか、めちゃくちゃ短い期間で作った曲。自分としては、一番新しい曲をリード曲にできたのがすごい嬉しかったですね。

-どういう経緯で「ブルーベリー・ナイツ」がリード曲になったのでしょうか?

リード曲を作ろうと思って作りました。実際に歌詞をつけてみると、盛り上がりには欠けるけど、歌詞に合っている自然なテンション感になって。歌詞に合った温度感をサウンドでも表現できたのは初めてだったんです。今までは”歌詞は切ないけど曲は明るいよね。でもそれがいいよね”ってよく言われてたけど、ようやく歌詞にあった温度感のアレンジができた気がしてます。最初のピアノとか冷たい印象だし。

-歌詞の切なさが際立ちますね。

僕は、音楽の解釈をある程度聴き手に委ねたいんです。スピッツの草野さん(草野マサムネ/Vo/Gt)の歌詞とか特にそうなんですけど、何について歌っているか曖昧だけど、いろんな捉え方ができるじゃないですか。僕は、歌詞はみんなのものだと思っていて。自分としてはちゃんと意味はあるし、過去の思い出や景色を詰め込んでるけど、聴き手が受け取りやすいように幅を持たせたいというか。この曲は特にそれがうまくできたなと思います。それぞれの”ブルーベリー・ナイツ”にしてもらえたらいいな。

-改めて、『LiKE』はどんな作品になりましたか?

今年で7年目なんですけど、やっと認知されてきた感じがしていて。いい意味でバンドが開き直って、好きなことをなんでもやっていいっていう状況で完成した1枚です。『レモンパイ』から遊べてはいたけど、5曲入りのミニ・アルバムでより開き直れた。シングルだとマカロニえんぴつっていうバンドを伝えきれていない気がしていたんですよね。”アルバムで聴きたいバンドだよね”ってよく言ってもらえるんですけど、そのとおりだなと思って。ほんとは5曲でも足りないんですけどね(笑)。何かに例えられることは当たり前だし、たくさんの”ぽい”が入ってるけど、それで素通りさせずに”好き”に変えるし、ライヴに行きたくなるバンドだっていう自信があります。比較的迷いなく、今のマカロニえんぴつが詰まった作品になりました。

-今回のインタビューは”BIG UP!”特別号に掲載されます。それにちなんだ質問になるのですが、はっとりさんは配信代行サービスについてどう思いますか?

僕は配信肯定派なのでどんどん使って発信すべきだと思います。サブスクとか今全盛期だし。曲を作ったときって一番温度が高くて、すぐ聴いてほしいわけじゃないですか。CDを作るのはお金も時間もかかるけど、配信はスピード感もあるし、CDよりも世に出しやすいのがいいところですね。

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