変化の岐路に立つJamFlavor。昨年以降の足取りや初の映画主題歌書き下ろしの背景に迫る

インタビュー

『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップして紹介するインタビュー企画。第68回目はJamFlavorが登場。

MA’LILとHODAKAによるR&Bデュオ、JamFlavorがニュー・シングル「Fade Out」をリリースした。

今作は9月にリリースした「CRY~戻りたい夜を~」と同様に、11月26日公開の映画『幕が下りたら会いましょう』へ書き下ろした楽曲。ストリングスを盛り込んだ感動的なバラード「CRY~戻りたい夜を~」と、今日的なトレンドも取り入れたオルタナティブR&Bな「Fade Out」。どちらも映画のストーリーとリンクしながらも、強いメッセージ性を放つ楽曲となっている。

今回のインタビューではこの2曲の制作背景を中心に、近年のJamFlavorの活動とそこで起きた変化について語ってもらった。

今一度自分たちを見つめ直したミニ・アルバム『retest』

昨年から続くコロナ禍における活動はいかがですか?
HODAKA

HODAKA:

2018年から別プロジェクトでの活動が中心になっていたのですが、その活動が2019年12月に終了して、再び2人で始動した矢先にこういう状況(コロナ禍)になってしまって。ライブが中々行えないので、制作に重きをおくようになりました。

MA'LIL

MA’LIL:

ライブの現場が少なくなったことで、色々なアーティストさんがSNSやネットでの発信を多くするようになりましたよね。私たちもその頃からTikTokを新たに始めて。ライブや作品で発信するのとはまた別のおもしろさと難しさがあるなと感じました。

その2点について、具体的に教えてもらえますか。
MA'LIL

MA’LIL:

SNSだと比較的簡単に聴いて(見て)もらえるけど、深く響いたり、広げていくのが難しいところだなと。ライブなどの現場でファンの方と直接コミュニケーションとるのと、コメント欄での交流は全然違うように思えて、適切な距離感などをまだ模索しているような感覚があります。

HODAKA

HODAKA:

おもしろい部分というと、今年に入ってからボイトレ動画を投稿し始めたのですが、それが結構反響を頂けて。個人的には新たな可能性を感じています。

MA'LIL

MA’LIL:

SNSや配信ライブのMCではいつものライブよりもパーソナルな内容になりがちで。これまで以上に私たちの人間味を発信できているのかなとも思います。

2人体制のJamFlavorとして再始動し始めて以降の制作についても教えて下さい。別プロジェクトを経て、心境の変化などはありましたか?
HODAKA

HODAKA:

東京に来たこともそうですし、マネージャーも変わって、環境が大きく変化しました。そういう意味でも、心機一転という気持ちが大きかったですね。

MA'LIL

MA’LIL:

自分たちの作品についても改めて見直す機会になりました。これまでは自分たちのルーツや個性を出しつつも、どうやったら広く届けられるのかっていうことを考えていたのですが、一度自分たちのやりたいことに振り切ってみることにして。それでできた作品が去年の夏にリリースした『retest』です。タイトル通り、“もう一度自分たちを試して欲しい”という気持ちを込めた作品になっています。

制作のプロセス的に変化したことはありますか?
HODAKA

HODAKA:

『retest』以降の話になってしまうんですけど、マネージャーにも制作段階からより深く関わってもらうようにして。例えば歌詞のわかりやすさ、伝わりやすさという点について、客観的な意見をもらって、3人で話し合っていくようになりました。

MA'LIL

MA’LIL:

これまでの作品を見直したときに、私たち自身の頭の中ではストーリーが描けているけど、言葉での表現が足りなかったんじゃないかって思ったんです。お洒落さや難しい言葉を避けて、もっと素直に書くようになりました。

HODAKA

HODAKA:

ストレートに自分の思いを綴るっていうことについて、少し気恥ずかしい部分もあるんですけどね(笑)。巧い言い回しやカッコいい言葉使いも捨てたくない。でも、それだけだと自己満足になってしまう。このバランス感が難しいところですね。

今年8月にはMA’LILさんの初のソロ作品もリリースされました。ソロ・プロジェクトをスタートさせた経緯というのは?
MA'LIL

MA’LIL:

元々2人ともいつかソロもやってみたいという気持ちがあったし、お互いに話し合ってもいたんです。私の場合、ソロへ向けた作品も少し書き溜めてあって。ちょうどソロでのお話を頂けたので、作り溜めていた曲に新たに手を加える形でシングル「cheek time」をリリースしました。
JamFlavorは男女ユニットなので、恋愛の曲はあまり多くなくて。ソロではそういう内容にもトライしてみたいですし、女性ならではの視点で歌詞を綴っていければなと。

MA’LILさんのソロ曲について、HODAKAさんはどのように感じましたか?
HODAKA

HODAKA:

振り切ったなと感じました。JamFlavorとはまた違うスタイルになっていて、いいなと思いましたね。

映画に寄り添った2曲

9月には映画『幕が下りたら会いましょう』の主題歌として書き下ろされた「CRY~戻りたい夜を~」をシングルとしてリリースしました。なんでも映画の脚本制作段階から関わっていたのだとか。
MA'LIL

MA’LIL:

幸運なことに映画のプロデューサーさんからお話を頂いて。脚本の制作段階から打ち合わせをして、そのストーリーに沿った曲を作らせて頂きました。
「戻りたい夜が多過ぎる」という映画のキャッチ・コピーを見ただけで色々なストーリーが思い浮かんできて。映画の主人公の麻奈美視点で歌詞を書こうと思いました。

HODAKA

HODAKA:

女性が主役となっている映画なので、この曲は主にMA’LILの意見を軸に進めていきました。僕が歌う2番では映画の登場人物たちを俯瞰で見ているようなイメージで書いていて。1番と2番では視点、立ち位置が変化した曲になっています。

実際に完成した映画を観て、いかがでしたか?
MA'LIL

MA’LIL:

映画の主人公は母と妹と暮らしているんですけけど、私も全く同じ家族構成だったので共感する部分が多くて。松井玲奈さんの演技もすごく生々しくて。家族として愛しているけど、それでも反発してしまったり確執ができてしまう、すごく複雑な感情をとても上手に表現されているんです。

HODAKA

HODAKA:

これまでの人間関係などについて改めて考え直すというか、一つひとつの関係をもっと大事にしないとって思わされるような映画でした。セリフだけじゃなくて、微妙な表情の変化や声のトーンなど、細かい描写も多くて。人生における教訓が詰まっているような作品なので、じっくりと観てほしいですね。

11月にリリースされた最新シングル「Fade Out」も、同映画の挿入曲として制作した作品です。
HODAKA

HODAKA:

「Fade Out」は主人公である姉妹によりフィーチャーした作品になっています。

MA'LIL

MA’LIL:

人によっては恋愛の曲に聴こえるかもしれないですし、自由に解釈してほしいんですけど、家族や恋人、友人といった深い関係にある2人についての曲になっています。

HODAKA

HODAKA:

陰と陽で言ったら、「Fade Out」は“陰”の作品ですね。

MA'LIL

MA’LIL:

「CRY~戻りたい夜を~」は最後立ち上がる様子も歌っているのですが、「Fade Out」は切なさや悲しさをそのまま歌っている曲になります。

映画の主題歌、挿入歌を手がけるのは今回が初ですよね。制作はいかがでしたか?
MA'LIL

MA’LIL:

私の場合、脚本を読ませてもらって、本当に自分のことのように共感できたので、難しさなどは特に感じませんでした。これまでの作品とはあまり変わらず……というか、むしろ歌詞の面ではより自分を出すことができたかもしれません。

さらなる進化を模索

12月にリリースを控える次作「100連ガチャ of LIFE」もひと足早く聴かせて頂きました。こちらはまたJamFlavorらしさ溢れる軽快な楽曲ですね。
MA'LIL

MA’LIL:

これは完全にHODAKA発信の楽曲で。

HODAKA

HODAKA:

ぶっ飛んだ曲というか、ハッピーな曲にしたくて。何も考えなくても楽しめるようなパーティ・ソングという側面もありつつ、歌詞の裏テーマとして人生の不平等を《ガチャ》に例えて歌っています。

MA'LIL

MA’LIL:

最初は《天の神様の言う通り》っていうワードを使いたいっていうところから膨らませていったんだよね。マネージャーとも話し合って、今っぽい言葉として《ガチャ》を使用して。

HODAKA

HODAKA:

トラックを聴いているうちに《天の神様の言う通り》っていう言葉が浮かんできて。誰もが知っている言葉だし、人生ともリンクしている。前から考えていたこの曲のテーマとも繋がるなと。これは別に「何でもいい」「どうでもいい」というような投げやりな考えではなくて、悩んでるなら進んでしまえっていう、前を向く気持ちを込めた曲です。

タイトルはユニークだし語呂もすごくいいですよね。
MA'LIL

MA’LIL:

それもマネージャーのアイディアで(笑)。

トラックはどのようなイメージで?
HODAKA

HODAKA:

別のトラックに仮メロを乗せたものを、JamFlavor以前よりお世話になっているIWANARIさん(GOUYA IWANARI)にお渡しして。自分たちのイメージもお伝えして、一緒に作っていったという形ですね。トラップっぽいリズムなんですけど、あくまでも明るくノリやすく、バウンスできるような曲に仕上がっているので、TikTokとかで踊ってもらえたら嬉しいなって思っています(笑)。

今年ももう後少しですが、今後の展開、もしくは来年以降に予定していることがあれば教えて下さい。
MA'LIL

MA’LIL:

まだ油断できない状況だとは思うのですが、できるならもっと東京でストリート・ライブをやりたいです。ストリート・ライブって自分たちの実力がすごくシビアに評価される場だと思うんです。お客さんが誰もいないところからスタートして、どれだけの人の足を止められるのかっていう。大阪時代、最終的に100人くらい集まってくれたことがあって。どんどん人が増えていくあの体験を、東京でも味わいたいなと。

HODAKA

HODAKA:

わざと告知せずにやることも多くて。純粋に自分たちの力を試したいんですよね。もちろん寂しい結果に終わることもあるんですけど、上手くいったときの達成感は半端なくて。

MA'LIL

MA’LIL:

ストリート・ライブに関しては東京の方が難易度は高い気がしているのですが、だからこそ勝負してみたいなって思います。

なるほど。制作面ではいかがでしょう? 何かトライしてみたいことなどはありますか?
HODAKA

HODAKA:

制作面で言えば去年の『retest』や、それ以降のシングルで一通り自分たちの持っているカードを出したつもりで。ここからはさらにもう一段進化できるような何かを模索していきたいですね。

MA'LIL

MA’LIL:

これまでHODAKAは高音域を活かした歌い方が多かったのですが、低音域メインの曲も作ってみたいなと個人的には思っています。2人の役割や展開も新しいパターンを試せたらいいなと。

HODAKA

HODAKA:

あとは何よりもライブですね。来年こそは有観客でのワンマンを久しぶりに開催できたらいいなと思います。

HODAKA

NATAL DESIGN × NANGA ダウンジャケット¥69,300(スキャターブレイン 03-5300-8164)
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NIKE SPORTSWEAR スニーカー¥14,000(NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77)

MA’LIL

mando コート¥120,000(スタジオ ファブワーク 03-6438-9757)
MSCHF ストラップトップ¥14,300(ヌビアン渋谷 WOMENS 03-6455-1076)
MAGLIA スウェットパンツ¥9,900(コーモド ドゥーエ 03-6451-0940)
NIKE SPORTSWEAR スニーカー¥18,000(NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77)


RELEASE INFOMATION

 

『CRY~戻りたい夜を~』
2021年9月8日
JamFlavor

各種配信リンク

 

『Fade Out』
2021年11月24日
JamFlavor

各種配信リンク


映画情報

 

映画『幕が下りたら会いましょう』

2021年11月26日
監督:前田聖来
出演:松井玲奈、筧美和子、しゅはまはるみ、日高七海 、江野沢愛美、木口健太、大塚萌香、目次立樹、hibiki、丘みどり、袴田吉彦
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
制作国:日本(2021)
新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開

公式サイト


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