『Beyond The Campus vol.4』‐9W3R7Yインタビュー‐

インタビュー

音の波形から始まる曲作り

はじめに

『Beyond The Campus』とは、早稲田大学の公認レーベルサークルWaseda Music RecordsがBIG UP! zineとタッグを組み、学生アーティストにインタビューを行う企画です。本企画はリレー形式となっており、第4のゲストとして9W3R7Yさんにインタビューを行いました。

活動を始めた経緯について

-まず、活動を始めた経緯やオリジナル曲を作った経緯について教えていただきたいです。

僕が中学生のときなので6〜7年前くらいのことだと思うのですが、DTMの流行り始めのときに、パソコンで曲を作れるということを知って、自分も趣味として始めてみました。

-中学生の頃からDTMをやられていたのですか?

中学生の頃から少しずつ作曲を始め、高校生の頃に、音楽用ではなく自分のTwitterアカウントを作成し、そのアカウント名を「9W3R7Y」にしたことが現在のアーティスト名決定のきっかけとなりました。

-初めてのライブについての裏話や思い出のエピソードなどはありますか?

去年初めてDJとしてイベントに参加しました。そこからは知り合いがどんどん増えていって、様々なイベントに呼ばれるようになりました。

-有観客で自分がDJとしてパフォーマンスした際の印象に残っている光景はありますか?

自分は大体SNSで活動しているので、自分の楽曲を自分で人前で披露する機会はDJをしている時のみであり、初めて自分の楽曲をクラブで流した時は感動しましたし、演奏中に自分の楽曲に気づいて観客が盛り上がってくれた時は嬉しかったです。

9W3R7Yの楽曲について

-楽曲制作時に一番意識していることはありますか?

僕はあまり歌詞とかを書かないので、歌詞などを通して何かのメッセージを伝えたいというよりかは、どちらかというと音自体に興味があって、こういう曲って音の波形から始まって、それを様々にアレンジして音をデザインしていくところから作曲していくのですが、どんなプロセスで、どんな処理をすれば自分の思い描いている曲が作れるのかなということを想像しながら作ることが一番楽しいかなと思います。僕はめっちゃ理系なので「この音をこう処理して、この音をこうしたらこうなるだろう」みたいに考えながらやっていますね。色々試してみて、「この音、やっぱりこうやって出来上がっているんだ!」と自分の想像していた通りにカチッとはまると面白いですし、自分の手で再現出来ると面白いですね。僕も最初は本当に何もわからなかったんですけど、いじっていくとどんどんわかってくる感じでした。シンセサイザーってつまみが沢山あって最初は本当に訳分からないんですけど、段々やっていくうちに、「この気持ち悪い音は多分ここのつまみをこうやってるんだ」みたいなのが分かってきて。

-特にテンションが上がったつまみとかあるんですか?

この中の2曲目の「devotion」のドロップで鳴ってるメロディーは、実は人のヴォーカルの声を加工しているものなんです。恐らくヴォーカルのピッチをオクターブくらい上げて、その後フォルマントをいじってるもので、それだけで人の声って男性の声が女性の声っぽくなったり、その逆にもなったりという感じで音が変わるんですよ。その後、ギターにさすディストーションをかけて、音を整えると多分こうなるんじゃないかと思って、自分の曲にも取り入れてみたものがありますね。シンセサイザーは合成している音で現実の音ではなく難しいのですが、リアルな音を基に不思議な音を作るということを結構やっていて。フルートの音やヴォーカルを加工して変な音を作ったりとかしています。リアルな音には揺らぎがあるじゃないですか。リアルな音を基にした音にもまた揺らぎがあって、それがなんか独特な雰囲気になっているんだろうなと思います。逆に機械的な音にしたいときにはそういった音は一切入れないとか。EDMだけど聴き心地が良いものにしたいときに、敢えてリアルな音を取り入れるようにしています。

音楽との最初の出会い

作曲を始めるきっかけとなった曲があって、いう海外のプロデューサーのBeautiful Nowという曲でEDMを好きになりました。ちょうどこの頃にパソコンで音楽が作れると知ったので、当時作っていNのような曲を作ろうとして色々制作していました。

影響を受けた楽曲5選

-影響を受けた楽曲ついてお聞きしたいです。

1曲目はDuskusの「Let Go」
2曲目はdemotapesの「devotion」
3曲目はAiobahn,rionos,Tollefの「amnesia-Tollef Remix」
4曲目はポーター・ロビンソンの「Something Comforting」
5曲目はのMoe Shop,エドガー・サリヴァン「WWW」
です。

-日本の音楽よりも海外の音楽が多い印象ですが、中学生の頃にどのように海外アーティストを発見していたのですか?

SNSの存在が大きくて、色々なジャンルで作曲しているという共通点で人々の輪が広がっていって、お互いの紹介などでコアな曲まで色々な音楽を共有し合うことが出来ています。あとはSpotifyのプレイリストや有名なDJがかけていて良いと思った曲などが多いです。でもやはり一番はSNS上のコミュニティによるものが大きいと思います。

-この5曲のうち、Twitterで教えてもらって良かった曲はありますか?

この中だと、ポーター・ロビンソンの曲ですね。ある日Twitterが「めっちゃ良い!」などと凄く盛り上がっていて、なんだろうと気になって調べてみたら、この方がライブ配信をしていて、自分も配信を覗いてみたら、めっちゃ良い!ってなって。今思えばそれがこの曲との出会いですね。

-なぜこの5選になったのかお聞きしたいです。

生音っぽい音を取り入れているEDMが好きで、その中でも明るくて派手なものが好きで、それに当てはまるものをグラデーションになるように並べてみました。なので、最初の方は「しっとり」とした感じの音のもので、後ろに行くにつれて「派手」な感じの曲になっています。ここにある曲は僕が作りたいと思うジャンルの曲がまんべんなく入っている感じですね。

学生音楽シーンについて

-学生音楽シーンにおける音源を広める方法について教えてください。

これは学生に限らないと思いますが、大体こういうEDM作る人はレーベルに曲を送って、そこから配信されて、色んな人が聴いてくれるというのがよくあるやり方だと思うのですが、僕はなるべく趣味で音楽をやりたくて、だから一喜一憂したくないっていうか。レーベルを目指して頑張って曲を作るというのも全然ありだと思うのですが、僕は好きで音楽を作っていたいのでそういうことはやらずに、BIG UP!などを使って完全にセルフで曲をリリースしています。そうすると曲を聴いてもらうきっかけっていうのが大体SNSになって、Xなどで告知をして聴いてもらうという流れになっております。

-メディアの中でXが一番反響が大きいですか?

今のところ僕はそうですね。ありがたいことにXのフォロワーが沢山いて嬉しいですね。あとはSoundCloudにあげると、全然Xなどをやっていない方々にも聴いて頂けたりします

おすすめの学生アーティスト

-おすすめの学生アーティストを教えてください

VOLTAさんです。
VOLTAさんはセンスも技術力も熱意もトップクラスの逸材で,めちゃめちゃいい曲を作るので推薦させていただきました!

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インタビュアー・エディター:野口愛紗、松本莉奈、持田侑里