森永陽実【BIG UP! selection 7 Question】
インタビュー
『BIG UP!』を利用している注目アーティストをピックアップして紹介するメールインタビュー企画【BIG UP! selection 7 Questions】。今回は森永陽実が登場
Q1. 音楽活動を始めたきっかけは?
学生時代から図書館でCDを借りたり、音楽愛好家の方々のブログをよく読んだりしていました。深掘りしていくうちに、日本の音楽家たちが多様な影響を受けながら独自の音楽を作ってきた歴史に感動し、自分もなにか発明的な音楽を生み出したいと思うようになったことが、活動の原点になっています。
松任谷由実さんや井上陽水さんに代表される、シンガーソングライター系のニューミュージックをはじめ、編曲やサウンド面での影響としては、Steely Dan(スティーリー・ダン)やLittle Feat(リトル・フィート)、ブラジルのポップスなど。それらが自分の音楽性の礎ですね。
アルバム『Alfa』にはどういった想いを込めましたか(歌詞、メロディ、アレンジ面など)
1970年代後半のポップス、とりわけ当時の革新的なレーベル「アルファミュージック」のサウンドを土台にしつつ、現代的な宅録文化のアプローチも取り入れました。さらにヴィンテージ機材を再現したプラグインを用いて、過去の質感と現代の空気を融合させています。
アルバム『Alfa』について、どのように制作は進んでいきましたか?
自宅でデモを制作し、打ち込みで土台を作った後、必要に応じて参加ミュージシャンの演奏を加える形で仕上げました。
収録曲のうち、5曲はすでにシングルとしてリリース済みで、残りは今回の1stアルバムのために書き下ろした楽曲たちです。アルバム用に作ったものは、自分の音楽愛をより露骨に表現する目的で制作しました。
最近聴いている音楽や行ったライブがあれば教えてください。
最近よく聴いているアーティストは、Brittany Howard(ブリタニー・ハワード)です。最新アルバム『What Now』は、構築的でありながら最終的に熱量で聴き手を圧倒するような音楽でとても惹かれています。
YouTubeで観た2024年のCoachellaでの彼女のライブも圧巻で、サポートドラマーのNate Smith(ネイト・スミス)が見せた、他のプロジェクトとはまた違った存在感とその説得力にも驚かされました。
また、Brittany Howard自身のギタープレイにも深く感動し、「フロントに立つ人が弾くギターとはどうあるべきか」を改めて考えさせられました。
もうひとり、日本の音楽家ku-tenさんの『ku-ten chords』というアルバムも繰り返し聴いています。伝統的なポップスの編曲手法を踏まえながらも、どこまでも現代的で、しかも温かみのあるサウンドが魅力だと思いました。複雑でありながら、無心で聴いていても楽しめる音楽で、歌詞にも深く共感しています。グッドミュージックの枠に収まらない、独自の表現をしている方だと感じています。
最近ハマっていることを教えてください。
TBSラジオで放送されている「ジェーン・スー 生活は踊る」をよく聴いています。特にリスナーから寄せられた悩みに答えていく「相談は踊る」のコーナーを楽しみにしています。
ジェーン・スーさんの話からは、もの書きとしての視点や表現者としての矜持が感じられると同時に、私には会社勤めの経験がないため、元レコード会社の社員である彼女の言葉を通じて、「会社員とはこういう考え方をするのか!」と驚かされることしきりです。
お気に入りの機材は何ですか?
YAMAHAのデジタルシンセサイザー「DX7」です。これまでは、下北沢のレコード屋さんでなぜか売られていたジャンクのMIDI鍵盤を使っていたのですが、そろそろ新しいものをと思い、DX7を購入しました。
シンプルなフォルムですが、実機ならではの重厚感や存在感があり、弾くたびにその手応えが感じられるのがとても楽しく、気に入っています。
今後のリリースやライブなど予定を分かる範囲で教えてください。
アルバム収録曲を中心にスタジオライブ映像を制作しています。現時点でフルで公開しているのは1曲のみですが、今後Instagramのリール動画やYouTubeを中心に、順次公開していく予定です。
映像には3つのパターンがあります。1つ目は、打ち込みトラックに自らギター、ピアノ、シンセサイザーと歌を重ねたソロパフォーマンス。
2つ目は、昨年のライブ活動を経てたどり着いた6人編成のバンドでの演奏です。ドラム:河合宏知さん(山二つ)、バイオリン:渡辺洋輔さん、パーカッション:Ryosuke Tomitaさん、鍵盤:アオキマサアキさん(砂の壁)、ベース:厚海義朗さん(GUIRO)。
3つ目は、シーケンスを流しながらの3人編成でのパフォーマンスです。ベースは同じく厚海義朗さん、鍵盤は沼澤成毅さんです。
私は記録されたライブ映像が好きなので、音質やミックスにもこだわり、良い形でアーカイブしておきたいと考えました。それが次のライブのパフォーマンスにもつながります。
最後に、レコ発ライブも計画中ですのでお楽しみに!
【RELEASE INFORMATION】
森永陽実「Alfa」
2025年6月11日(水)配信リリース
▼各種ストリーミングURL
https://big-up.style/musics/310381
外部リンク
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