『Beyond The Campus vol.9』‐482ズインタビュー‐

インタビュー

はじめに

『Beyond The Campus』とは、早稲田大学の公認サークルWaseda Music RecordsがBIG UP! zineとタッグを組み、学生アーティストにインタビューを行う企画です。本企画はリレー形式となっており、第8弾アーティストDreadful Empire Citizenさんのご紹介を受けまして、第9弾のゲストとして482ズさんにインタビューを行いました。

結成の経緯

-バンド結成の経緯やオリジナル曲を作った経緯についてお聞かせください。

たろう) 高校を卒業するタイミングで、軽音部でやっていたバンドの活動はなくなってしまって。でもそのあとも、「バンドをやりたい、やりたい」って気持ちはずっとあったんです。ただ、その前にどうしてもインドネシアに行きたくなっちゃって(笑)。なので、卒業後は半年間、インドネシアに滞在していました。日本に戻ってきてからは、とりあえず半年間ニートして、そこから「よっしゃあ、やるか」って感じでバンドを結成しました。
じろう)結成のときも最初は「やろうやろう」って口だけで、なかなか動き出せなくて。でもドラムのメンバーが「地元のライブハウスに出ない?」って話を持ってきてくれて。それがきっかけで一気に流れができて、勢いでバッと組んだ感じですね。それ で、「どうせやるなら全部オリジナルでいこう」ってなったんです。

-オリジナル曲はどのように作っていったのですか?

たろう)ライブの話が来たのが1ヶ月前とかだったので、そこから急ピッチで5曲オリジナルを作ることになりました。かなり大変でした(笑)。
じろう)いや、あれはやばかったね(笑)。あのとき、たろうの家にずっといましたもん。
たろう)みんなが家にいてくれて、曲を覚えてくれて。そうやって完成させたって感じでした。もう起きたら、みんないる、みたいな。そのレベルでずっと一緒にいましたね。
じろう)ちょうど夏休みだったんですけど、ほとんどすべての時間をバンドに費やしてましたね。

-作詞作曲はどなたが担当しているのですか?

たろう)曲作りは僕が作詞作曲を担当していて、まず自分で弾き語りを録って、それに対してみんなに音をつけてもらう感じです。そこからさらにアレンジを添削していくっていうスタイルでやってます。
じろう)作詞もたろうに全部任せてます。彼は言葉遊びが得意なんです。というか、彼以外、言葉を知らないんで(笑)。
たろう) いや、だから何も理解されないんです(笑)。
じろう) たとえば「たゆたう」とか「はるぼるる」とか(笑)。
たろう)「たゆたう」は調べたら分かるって(笑)。
じろう) でも、本当に詩的というか音楽的というか、、。

-どうしてそんなに言葉に詳しいんですか?

たろう)いや、単純に言葉が好きなんです。ドラマとか映画、アニメとか見てて、知らない言葉が出てくるとすぐ調べたくなるんですよね。特にアニメは多いかも。「これ、かっこいいやん」「使えるやん」って感じで。ある意味、アニメは言葉の収集の場って感じで見てます(笑)。
じろう)「はるぼるる」とかってアニメで出てくるの?
たろう)いや、それは春の類語を調べてたら出てきた(笑)。そんな感じでどんどん深掘っていってます。
じろう) 自分は本も映画もアニメもドラマもほぼ見ないので、本当に全然ついていけてないです(笑)。
たろう)まあそこは勝手にやらせてもらってる感じですね(笑)。

初めてライブした日のお話

-初めてライブをした日について教えてください。

じろう)初めてのライブは旭っていう、千葉の銚子の下のあたりにある田舎の地上の古屋みたいなとこでやりました。正直、詳細もよく知らずに行ったら、出演者がほとんどお父さん世代で。完全に僕らだけ若者だったんですよ(笑)。最初は圧に押されてめちゃくちゃ怖気ついてたんですけど、始まっちゃえばって感じで。
たろう)「もういいや、暴れちゃお」みたいな(笑)。負けねえぞって気持ちで、後ろにいるお客さんに「お前ら前こい!」って叫んだりして(笑)。
じろう)本当に、後ろにいたおじさんに向かって「お前ら前こいよ!」って言ってて(笑)。でも、そういうのも含めて本気でやってたんですよね。やる気だけは本気であって。その熱がちゃんと伝わったのか、お客さんも「うぇええい!」みたいに盛り上がってくれて。あの光景は今でも印象に残ってます。

-初めて配信した曲について教えてください。

たろう) 今はEggsで3曲配信していて、その中に「軌跡」って曲があるんですけど、これは高校のときに初めて作った曲です。最後の文化祭で披露した、めちゃめちゃ大切な曲で。あとペトリコールって曲が一時的に13位か14位くらいにランクインしたことがあって、それはすごく嬉しかったですね。
じろう)でも録音のときは、そんなに熱を入れてたわけでもなくて。友人の知り合いのスタジオを使わせてもらって、一日で3曲録るみたいな、結構詰め込んだ感じでした。
たろう)そうですね、熱はそこまで入ってなかったけど、ちゃんと形に残せたのは良かったなって思ってます。

音楽との最初の出会い

-音楽との最初の出会いについて教えていただきたいです。

じろう)音楽の始まりは、あんまりはっきり覚えてなくて。でも最初はピアノでした。実はベースよりピアノ歴の方が長くて。
家にピアノがあったんですけど、うち、父親が吹奏楽で、母親がピアノで…いわゆる音楽一家なんです。 でも、あるとき舞台に立ったら、一個上の人があまりにもレベル高すぎて、そこで一気に挫折しちゃったんですよね。「うわ、もうこれ無理だわ…」って。 それまではすごく楽しかったのに、そっから一気に冷めちゃって。それでピアノとか音楽系の道に行きたいなとか思ってた気持ちも、そこでストンと落ちたというか。そこから楽器をちゃんとやり出したのは高校からですね。それまで音楽に触れたのって、合唱コンクールのピアノ伴奏くらいで。 高校1年の11月ぐらいに軽音部に途中から入ったんですけど、理由も「友達いるかな〜」くらいの軽いノリで(笑)。
ギター以外の楽器を触ったことなかったんですけど、「ギター多いから、それ以外でなにがいい?」って言われて、「なんでもいいです」って答えたら渡されたのがベースで。 そしたらそのベースがめちゃくちゃ面白くて!もう「音が出るのが楽しい!」って(笑)。
たろう)僕がギターを始めたのは中3くらいのときで。新学期に「趣味」って書く欄があったんですけど、特に趣味がなくて。「あ、ギターやろう」って(笑)。 家に安めのギターが何本かあって、それ見て「これやったらかっけぇじゃん」「モテるっしょ」って、それで始めたんですよね(笑)。
で、高校に入って「軽音部入りたいな」と思ってたら、じろうがいて。
体験入部のとき、自分は中学あまり学校行かずにギターばっかやってたんで、「自分が一番うまいっしょ」くらいに思ってたんですよ。 でも行ってみたら、先輩がカンパネラとか弾いてて、ベースも意味わかんない曲弾いてて、「なにこれ、気持ち悪っ!」って(笑)。 それが衝撃的すぎて、「あ、ここで頑張るしかないな」ってなりました。ほんと、じろうがカンパネラ弾いてて…
じろう) あれはイキってただけです(笑)。新1年生に対して。
たろう)「デデデデデュルルルル〜」みたいな(笑)。あれで決まりましたね、自分は。
じろう) でも(入部時期は)半年差なんで、ほぼ同期みたいなもんですけど(笑)。そこから始まったって感じです。
たろう) あと、ドラムのメンバーが自分と同期なんですけど、最初からめちゃくちゃうまかったんですよ。教室でドラム叩いてて、「え、やば……」って感じで。 聞いたら、小さいころからもう10年くらいやってたらしくて。
じろう)あれは俺もビビった。2年のドラマーがピアノ弾いててイキってたけど、スタジオ入ったら、たろうの同期の子がドラム叩いてて、 「いや…この前じゃイキれんでしょ」って(笑)。
たろう) ほんと、あれはやばかった。そこで「これはもう、ここで揉まれるしかない」って思いましたね。

影響を受けた曲5選

-影響を受けた曲について教えてください。

たろう)1曲目はドレスコーズの「愛に気をつけてね」です。初めて聴いた時に衝撃を受けました。ここから僕の志磨遼平好きが始まり、人生を変えた一曲と言っても過言ではありません。2曲目は毛皮のマリーズの「愛のテーマ」です。「ねぇ結婚しようよ!子供を作ろうよ、こうして世界は一つになるのだ!」Aメロのこの一節があまりにも好きすぎます。これは極上のラブソングだと認識しています。3曲目はドレスコーズの「ゴッホ」です。「右が左か選ぶ時がおとずれたら 面倒になりそうな方に進めベイビー」という歌詞に心を打たれました。この歌詞のおかげでどんな回り道でも楽しく歩いていけます。
じろう)4曲目はずっと真夜中で良いのにの「お勉強しといてよ」です。ベース主体の曲でベーシストとしては外せない1曲です。ハイフレットのベースソロが気持ちよすぎて自分たちの曲にも入れたくなります。
カンガルー)5曲目はB’zの「ZERO」です。初期B’zの打ち込みサウンドベースにハードでテクニカルなギターというイメージを良い意味で覆した名曲です。当時リアタイでB’zの追っかけをしたかったです。30年以上経ってライブでやってもかっこいい曲って凄いと思います。

音楽を通して伝えたいメッセージ

-音楽を通して伝えたいメッセージはありますか?

たろう) 伝えたい“ことば”みたいなのは、正直ないんですよね。でも、うちのバンドは「イキリロック」って掲げてて。本当に、「俺を見てくれ!」っていう感じで、曲を書いてます。 ただただ、俺を見てほしい。それだけなんです。
じろう)3人とも目立ちたがり屋なんで(笑)。
たろう) だからもう、イキリロックでイキり散らかして、最終的にいろんな人に見られたいんですよ。
じろう)「伝えたいこと」っていうよりは、「見てほしい」に尽きますね。
たろう) それがもし、世界平和につながったら最高だなっていう(笑)。 やりたいことやって、世界平和にちょっとでもつながったらいいなって。

学生音楽シーンにおいて活動を広げる方法

-学生音楽シーンにおいて活動を広げるために意識していることはありますか?

たろう)MVに力を入れています。消費される音楽を作るより、ちゃんと愛される音楽を作りたいなと思ってMVを作っています。
じろう)自分はオーディションになるべく参加していて、今年も沢山応募していこうと思います。大きなステージに立ちたいです。

-今後の展望はありますか?

たろう)自分がやりたい楽曲だけを作って、したいことだけをして、いい所までいきたいですね。
じろう)売れるために売れ線の曲をやるというのはしたくないですね。
たろう)そうですね。筋を曲げずに活動できてたらいいなぁっていう。今は失恋ポップスとか作った方が多分みんな聴いてくれるんでしょうけど…。

-普段はどのようなテーマで楽曲を作られることが多いですか?

たろう)一個のストーリーをドラマのように展開して作っていくことが多いですね。実体験に基づきながら。
じろう)MVもそんな感じで撮っていきたいですね。せっかくストーリーみたいになっているから。

おすすめの学生アーティスト

-おすすめの学生アーティストを教えてください。

たろう)「たなかww」です。一言で言うならギャグバンドです。僕らはイキリロックで世界平和を、たなかwwは大爆笑とドン引きで世界平和を。そう言う意味ではとても親近感があります。たなかwwのライブは絶対に笑顔になれるのでおすすめです!

482ズプロフィール

『イキリロックを世界へ』をキャッチコピーに、2024年7月6日に結成した。平均年齢20歳、千葉県発・3ピースイキリロックバンド。

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インタビュアー・エディター:小髙愛梨、河﨑祉宏、野口愛紗