謎めいたOctopus Kingが魅せる音像

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はOctopus Kingをご紹介します。

表現の余白に思いを馳せて

Octopus Kingは、とても謎が多いアーティストだ。演奏しているのが日本人なのかどうかもわからなければ、個人プロジェクトなのかバンドなのかもわからない。

そんな謎ばかりのアーティストが出したアルバムが『自分を探す』というタイトルなのだから、少々面食らってしまった。“私を見つけて”という意の「Find me」から、「Behind」「Show me」「Drowning」と作品は進んでいく。ノイジーで浮遊感のあるシューゲイザーサウンドが少しずつ快活になっていき、最後には静けさのなかに沈んでいくさまはショートフィルムを見ているよう。コンセプトアルバムとして成り立っており、“考えるな感じろ”とは、まさしくこういうことは言うのであろう。

歌詞がないのが寂しくも感じるが、だからこそ色々な解釈の余地を委ねられた1枚。作品と意図に思いを馳せながら、Octopus Kingの今後にも注目したい。

●こんなアーティストが好きな人におすすめ●

・Spangle Call Lilli Line
・te’
・Nuito
・a picture of her