想像を裏切る、樫野創音の王道サウンド

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は樫野創音をご紹介します。

偏愛が見えるオルタナロック

“人は見かけによらない”とよく言うが、樫野創音もまた癖の強い裏切りをくれるアーティストだ。赤髪、メガネ、JK(自称)というスペックに誘われて手を伸ばすと、想像の斜め上をいく情報量に圧倒される。

そもそも音源から聴こえてくるのは男性の声。女の子が少年役を演じている声質ではなく、明らかに男の人の歌声なのだ。また、音楽性もキャッチーな樫野の見た目と裏腹である。アイドルソングや流行のポップスを構えてしまうビジュアルだが、彼(彼女)が得意とするのは90~00年代を感じさせるオルタナティブロック。当時のキッズなら誰しも胸を焦がしたであろう、懐かしくもエモーショナルな音が鳴っている。ポストロックや渋谷系にも造詣があるにも関わらず、あえてそのジャンルを選ぶあたりに樫野の偏愛っぷりを感じずにはいられない。

先日配信が開始された『こころ』は、BOOGEY VOXXのFra主催のバーチャル即売会イベント『ソクブイカイ』に合わせてリリースされた作品。ひときわ思い入れの強い「こころ」を中心に据え、このE.Pのために書き下ろした楽曲も含め全5曲で構成されている。予想を裏切らない王道サウンドとノスタルジー香る優しい声に、思いをはせてほしい。

●こんなアーティストが好きな人におすすめ●

・ストレイテナー
・BUMP OF CHIKEN
・GRAPEVINE
・秋山黄色