Grace Cathedral Parkが鳴らす、静寂の美しさ
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はGrace Cathedral Parkをご紹介します。
音像に身をゆだねて
「静寂は無音じゃない」なんていうと「何を言ってるんだ?」と思われるかもしれないが、呆れないで聞いてほしい。Grace Cathedral Parkの音楽を耳にすると、その事実をまじまじと突きつけられてしまうのだ。今までの私は“静か”という言葉の意味を、ちゃんと認知していなかったのかもしれない。
Grace Cathedral Parkは2017年に結成された、3ピースバンドだ。アンビエントやポストロック、ドリームポップなどを内包し、甘美な時をゆるやかに描いていく。
ドラムレスだからこそ拍感は曖昧で、規則的な波に振り回されることがない。私たちは彼らが提示する空間に身を委ね、心を浸し、時間を旅する。宇宙遊泳をするような心地よさをまとい、音像の美しさを押し付けることなく提示していくのだ。
先日配信が開始された『Grace Cathedral Park』は、2019年に発売された作品。早耳なリスナーのなかでは「2019年の1枚」としても選ばれており、新たな音楽の可能性を感じさせる1枚だ。好きなジャンルなど関係なく、とりあえず1度聴いてみてほしい。