聴く才能が育てた、gaoの表現力
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はgaoをご紹介します。
オリジナルソングに還元していく
多くの人は音程を正しくとれることを“耳がいい”と表すだろうが、表現のクセや意図をくみ取れることも“耳がいい”といって間違いないだろう。息遣いや声の出し方、ニュアンスの付け方などを丁寧に拾い上げられるのも才能のひとつ。そういった意味でgaoは、聴く才能がとてもあるシンガーソングライターだと思うのだ。
SNSで彼は、さまざまなアーティストのカバーを発表している。瑛人の「香水」やDISH//の「猫」などを語りかけるように歌い上げたかと思えば、My Hair is Bad「真っ赤」やkobore「ヨルノカタスミ」ではエモーショナルに感情を吐露。自分の歌い方ではなく、彼らの意志やクセをくみ取り歌声に昇華する。
そうして吸収したものを、すべてオリジナルソングで発散しているのだ。楽曲やフレーズによって適宜に声を操り、1番伝わるもので表現していく。“聴く才能”により生み出されたボーカルワークこそ、gaoの強みといっていいだろう。
先日配信が開始された「1LDK」は、疾走感のまま失恋の切なさを描いた1曲。前作の「エンドロール」とは違うボーカルが、彼の新たな可能性を感じさせる。正統派ギターロックが好きな人に刺さりそうなナンバーだ。