Babiが描く、細部まで作りこまれた物語

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はBabiをご紹介します。

見える世界を音にして

Babiの音楽は、一聴すると映像が目の前に広がっていく。ある時は小人が目の前をかけていったかと思えば、またある時は子どもたちが暖炉の前に集まってダンス。いずれも比喩にすぎないのだが、彼女の作品は音楽を聴いているのに、物語を読んでいるような充足感があるのだ。

それは、おそらく彼女が「視覚から音に変換していくクセがあること」と「舞台やバレエ音楽に興味があること」に所以しているのだろう。自分の目の前に広がっている世界をディテールまで捉え、繊細に描き切っていく。だからこそ、Babiの音楽は初めて聴いても情景が瞬く間に広がっていくのだ。
また、幼少期に兄の影響でゲーム音楽へ親しんだことも大きいと思われる。ゲーム音楽をコピーするという経験は、ストーリーに紐づいた心地よいサウンドやメロディーを感覚的に取り入れる一端を担い、今の彼女の一部となっているのだ。

先日配信が開始された「桃色の砂漠」は、来年発売のアルバムに収録予定の1曲。オーケストレーションと雨音のハーモニーに心躍る、ポップなナンバーに仕上がった。