ぼっちぼろまるがくれる、自分自身と向き合う時間

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ！ 今回はぼっちぼろまるをご紹介します。

無色さに自分を重ねて

2次元も3次元も自由自在に行き来する、音楽系VTuberのぼっちぼろまる。いまひとつ気持ちが読めない真顔ともとれる表情は、リスナーである自分の感情を映し出す鏡だ。彼が作っているのは音楽である以上に、自分自身と向き合う時間なのかもしれない。

RADWIMPSやASIAN KUNG-FU GENERATIONなどのJロックど真ん中とwowakaを始めとするボーカロイド全盛期をルーツに持つ彼。ぼっちぼろまるの作品を耳にしていると、その影響は強く感じることができる。
ノリのいいギターロックを基調にしつつも、意表をつく対旋律やサウンドを展開。トラックだけを聴いていると圧倒的にいい曲なのに、歌詞を乗せることでグッと身近な音楽になるのも特徴のひとつだろう。日常に溢れた気持ちや物を題材に取り上げつつ、無表情で歌い上げる。リスナーはその無色さに、思わず自分の話を重ねて聴いてしまうのだ。

先日配信が開始された「嘘つき犬が吠える」は、切ない別れをテーマにした疾走感溢れるロックチューン。情緒不安定を表すように変化し続けるリズム、“大嫌い”の言葉に潜んだ“大好き”が等身大のサヨナラを届けるナンバーだ。