現実と夢の狭間で揺れる、でんたくの生み出すノイズ

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はでんたくをご紹介します。

タイトル

人生のきっかけは、いつやってくるかわからない。コロナによりいろいろなことが制限されてしまったが、その陰で新しいことを企てている人もいる。2020年7月からボカロPを始めたでんたくも、そんなクリエイターのひとりだ。

元々はヒップホップバンド、バスターコールRingRing丸のメンバーとして活動していた彼。コロナによりライブを自粛したのをきっかけに、DTMでの制作に本腰を入れ始めた。
でんたくの作品は、ロマンチックなシューゲイザーを基軸としながら、インディーロックやオルタナに昇華しているのが印象的だ。People in the boxを始めとする残響レコードの影響を強く感じさせるサウンドが、ノイズをヘブンにもカオスにも魅せていく。そのどちらにも振れる不確定さこそ、彼の楽曲を夢と現実の狭間で鳴る音にたらしめている要因かもしれない。

先日配信が開始された「日々の記憶」は、遠野朝海とのコラボ作品。透明感があり儚い遠野の歌声とでんたくの描く浮遊感ある世界が、終わりのないノスタルジーへ誘う1曲だ。