セブンマイルズが香らせる、爽やかなノスタルジー

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ！ 今回はセブンマイルズをご紹介します。

耳もとにふわっと香るしあわせ

親子二代に渡るパン屋のようなバンドだと思った。作品に温もりがあり、どこか懐かしく、耳に落とした途端ふわっと幸せが広がっていく。彼らの名前は、セブンマイルズ。水戸を拠点に活動するインディーロックバンドだ。

2017年夏、コピーバンドでの活動をきっかけに茨城大学にて結成。メンバーチェンジを経て、現体制の3ピースとなった。
UK・USインディーに影響を受けたサウンドはカラッとしていて、シンプルなギターリフがよく際立つ。春から夏に向かっていく、今の気候にぴったりな心地よさなのだ。また、日本語のリリックも、なんとも絶妙。母音を強く押しだす歌いかたは歌謡曲的なアプローチを感じさせ、懐かしい匂いを香らせる。さわやかにノスタルジーを歌うバンドこそ、セブンマイルズなのだ。

先日配信が開始された『かおなじみ』は、彼らにとって初となるミニアルバム。流行からは、遠いアプローチをとるバンドかもしれない。しかし、そこにこそ忘れたらいけない何かが詰まっているのではないだろうか。初夏へ向かう風を浴びながら、散歩をしつつ聴きたい1枚だ。