ありのままを見つめる、Aina.のリリック

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ！ 今回はAina.をご紹介します。

物語を美化せずに

憂いを帯びた歌声は、ガラス細工のようだ。伸びやかな高音、エモーショナルな抑揚、繊細に感情を追うリリック。Aina.の歌は、抜群の透明度を保ったまま、曲によって柔軟に形を変えていく。

元々はnanaでのカバーやライブ出演などを重ねていた彼女。2019年から活動を本格化させると、R&B調のトラックに死生観や愛を紡ぐ歌詞を乗せ、独特の世界観を構築してきた。
彼女の魅力は、世間的にはネガティブに捉えられる感情や現状を否定しない点だ。“死にたい”という想いにも心を配り、“理想なんて壊れてる”と悲恋も冷静に受け止める。美化されがちな物語から目を背けず、ありのままを紡ぐからこそ多くのリスナーから支持されるのだろう。

先日配信が開始された「Renatus」は、彼女にとって2作目となるソロシングル。“生まれ変わる”をテーマにしており、痛みに寄り添いつつも前を向けるナンバーに仕上がっている。儚くも力強い歌声に、ぜひ聞き惚れてほしい。