YUTORI-SEDAIという新しいレッテル

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ！ 今回はYUTORI-SEDAIをご紹介します。

大切な思いをすくい上げる感性

大人の都合でつけられた「ゆとり世代」というレッテルを、自分たちのものに変えていく。西東京市発スリーピースロックバンド・YUTORI-SEDAIの音楽にはそんな未来を感じた。

彼らの楽曲の多くは恋愛をテーマにしている。不器用な人間の代弁者として、うまく伝えられなかった思いやどうすることもできない後悔を豊かな感性ですくい上げ、音にのせていく。それは彼らが影響を受けてきたMr.Children、くるり、RADWIMPSといったバンドのように、誰も気づいていない日常に転がる宝石を見つけ出すような作業だ。そして、Vo/Gt 金ちゃんの透明感溢れる歌声が、色あせないアルバムのようにその情景を映し出す。サブスク解禁された『アイラブユーベイビー / 境界線』もまた、多くの人の大切な瞬間が閉じ込められてた楽曲だ。

「ゆとり世代」とはどこか揶揄されるような言葉だった。しかし、繊細で優しい彼らの音楽が広く受け入れられることによって、「ゆとり世代」という言葉のイメージさえも変わっていくのではないだろうか。