心の痛みを代弁する、αoのリリック

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はαoをご紹介します。

余白が想像力を掻き立てる

哀愁を感じさせる艶っぽい歌声の持ち主であるαo。彼は“心の闇を表した部分を歌う”をテーマに活動しているシンガーソングライターだ。

色っぽい歌声がαoの魅力であることは間違いないが、その個性が強く表れているのはストーリー性の強いリリックだろう。ヨルシカやずっと真夜中でいいのに。など、ネット発のアーティストはリスナーの想像力に委ねた余白を残す風潮が強いが、αoもまた然り。気になるワードをぽつりとおいて、物語はあえて書ききらない。そうすることにより、それぞれが「自分のことを歌った曲だ」と受け取りやすくもしている。いうならばαoは、痛みを口にできない人の代弁者なのである。

先日配信が開始された「伽藍堂」は、彼が初めて作詞作曲を手掛けた作品。大切な人を上手に愛せない辛辣な想いが、エモーショナルな歌声で紡がれていく。失恋したとき耳にすると、じりじり沁みてくるナンバーだ。