Shiki Azukiが歌い上げる現代の哲学

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はShiki Azukiをご紹介します。

ひたむきに自分と向き合って

バンド活動を経て、ソロ名義でのスタートを切ったシンガーソングライター・Shiki Azuki。
2作目のリリースとなる『Start again~キルケゴールの遺言~』は、夢や目標に向かって諦めずに駆けていく熱い気持ちを、実在哲学の祖として知られる哲学者・キルケゴールの思想と重ね合わせて表現したという作品だ。

キルケゴールの思想のはじまりは、いつも「絶望」にある。
さまざまな絶望を経た先でどう考えるのか?その結果どこへ辿り着くのか?ということを問い続けた彼に、Shiki Azukiは共鳴した。
コロナ禍という全世界共通の「絶望」とも呼べるこの時代をどう乗り越えるか。
18世紀、キルケゴールが出した答えと彼なりに向き合い、そして現代の歌という表現で高らかに声を上げる。
伸びやかに歌われる〈ただ恐れずに抗ってく〉という言葉には力強い意志が宿っていて、聞いているこちらも思わず地面を踏みしめる足に力が入るようだ。

前を向くことさえも難しい暗闇の中にいて、ひたすらに自身の在り方を問いかけること。
時代を越えた思いが、哲学がここにある。