歌詞から感じるChevonの世界
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はChevonをご紹介します。
文学と音楽で表現して
楽曲ごとに異なる色を見せる歌声と音楽が話題を呼んでいる、平均年齢20歳・札幌を中心に活動中のバンドChevon。
8曲目のシングル『占っていたんです』は、愛する相手への一方通行の想いを描く楽曲だ。
多面的な魅力を持つChevonについて、ここでひとつ特筆したいのはVo.谷絹 茉優が書く詩の美しさのこと。
《花弁があと一枚しか残ってないから/“好き”のところで止めて花瓶に入れて枕元に置いといたんです/でも今朝方小さく揺れて散ってしまいました》
花占いというモチーフを歌にするとして、こんなワンシーンを描いたアーティストが今までにいただろうか。
これは楽曲のスタートと共に流れ込んでくる歌い出しの言葉なのだが、たった数秒のフレーズだけでこんなにも切実さが、繊細さが、愛おしさが伝わってくる文学的な詩に射抜かれてしまう。
さらに、谷絹は男声と女性を行き来する多彩な歌声の持ち主でもあり、その表現力を惜しむことなく自身の歌詞にぶつけ、包み込む。
一曲を聞き終えたとき感じる余韻には、まるで小説や映画を一本味わったような奥深さがある。
まだまだ底知れないChevonというアーティストの世界。
じっくり浸るのならぜひこの『占っていたんです』から踏み込んでみてはどうだろうか。