物語を丁寧になぞる山城ショウゴ

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は山城ショウゴをご紹介します。

「愛」と向き合う

金沢の街を舞台にし、葉名恒星が監督を務めた映画『きみは愛せ』。
都会からは離れた街で、満たされたような、物足りないような日々を送り、愛の形を探してもがく若者たちの姿を海上学彦、兎丸愛美、細川岳らが演じる。

青春の最終章を描くこの作品を、そして監督・葉名の「たとえ誰かがきみを愛さない世の中になっても、きみは愛して欲しい」という願いを、山城ショウゴ『映画『きみは愛せ』(original soundtrack)』は包み込む。
サウンドトラック全体を通して、ギターをはじめとした生の楽器のあたたかさや儚さと、打ち込みサウンドによる物寂しさや寄る辺なさが共存しており、それは登場人物たちの揺らぐ心と暮らしの輪郭を丁寧に縁どっている。
主題歌『landmark』は訥々と溢れていくような言葉選びが、透き通った歌声が、登場人物たちとこの映画に共感するすべての人々の痛みを和らげるように響く。
コーラスには本編に出演している白子を迎え、男声と女声の重なり合いがより作品との親和性を高めている。

誰もが普遍的に抱える「愛」への苦しみ、その美しさ、また若者の刹那的な輝きを切り取った作品。
音楽からも、胸を衝く切実さを感じることができる。