バカがミタカッタ世界が響かせる生命の音
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はバカがミタカッタ世界をご紹介します。
生も死も鳴らす
2013年に結成された2人組ユニット、バカがミタカッタ世界。ピアノと歌を軸に構成される柔らかなチェンバーポップは、生と死どちらの側面も感じさせる。「もののけ姫」のセリフを借りるなら「生命そのもの」ということになるのだろうか。彼らの音楽は瑞々しい息遣いもこと切れたあとの静寂も穏やかに放つのである。
アンビエントやエレクトロニカの要素も内包しつつ堅苦しくなりすぎないのは、ふたりが流行モノやポップスを柔軟に取り入れる姿勢があるからなのだろう。歌の谷口はヒプノシスマイクなども好み、鍵盤のフルイケは星野源や東京カランコロンも愛聴している。
boniverやNorah Jonesに影響をうけながら、別ジャンルも突き放さない。そういったバランス感覚が抜群なのである。
先日配信が開始された「モノ」は、キツネの嫁入りのボーカル・マドナシを迎えて制作された1曲。生楽器と溶け合う深い歌声が、仄暗さを香らせるナンバーへと仕上がった。