時代を歌い上げる青野りえ

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ！ 今回は青野りえをご紹介します。

2022年の街を包み込む

この時代を天気に例えるなら、何になるだろう。
青野りえの2ndソロアルバム『Rain or Shine』は、私たちの暮らしへと、そう柔らかに問いかける。

1996年よりシンガーとしての本格的な活動をスタートさせ、さまざまなアーティストとの共演、ゲストボーカル、CMの担当などを通しその豊かな歌声を響かせている青野りえ。
彼女がソロ作品で歌にするのは、純度100%のシティ・ポップだ。
名プレイヤーたちによる小気味よい演奏に乗せて、今作で歌われる街の景色はすこし湿度が高い。
誰かを想い、遠い日々を振り返り、新しい未来を待つ――多くの障壁に隔てられたこの数年、誰もが抱いたセンチメンタル、そして希望をたおやかに昇華するような、そんな楽曲が並ぶこの作品。
2022年の街で鳴るポップ・ミュージックとして、こんなにも暮らしに馴染むものはないのではないか、と思えてしまうような、そんなアルバムになっている。

プロデュースは、音楽ファンの間で話題を呼んだ前作『PASTORAL』に続き、シンガーソングライター・関美彦が務めている。
揺らぎと共にそっと街を洗い流していく雨、もしくは、そのあとに光射す晴れ。
音楽という形を持って、この時代を語り継いでいく作品だ。