JiHyangが照らす儚いひかり

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はJiHyangをご紹介します。

音と言葉にじっくり向き合って

東京都阿佐ヶ谷生まれのフォークシンガー・ソングライター、JiHyang。身体の一部であるように自在に鳴らすアコースティックギターの音色と、言葉と音を存分に表現する独創的な歌声によって、深い奥行きを持つ楽曲群を発表している。

ギターの音のあたたかさ、力強い熱を持った言葉から、柔らかにエネルギーを分け与えてくれるJiHyangの楽曲たち。しかし、その裏にはいつも、寂しさや弱さの匂いも感じられる。自分や誰かの足りない部分、うまくいかない現実を見据えているからこそ、彼女はギターを手に取り、言葉を紡ぐ。

最新シングル『宝石になりたい』は、人と関われば必ずいつか迎えてしまう「別れ」を、宝石というモチーフと重ねながら静かに照らし出す一曲だ。さまざまな輝きを持ち、人々を魅了する宝石のひかり。それは自然の中で年月をかけて生まれる神秘であるが、この現代社会で手にしたいと思えば、富が必要になる。ありのままの美しさと、それだけでは片付かないこと。それでもやはりどうしようもなく綺麗なこと。そんなアンビバレントな背景と、愛おしく思う気持ちが、今隣にいる「あなた」への想いと重なり描き出されるこの歌もまた美しい。
JiHyangがギターと歌声だけで描き出す儚い輝きに、あなたもきっと聞き惚れるだろう。