ありのままで向き合いたい、リンガーランズの音楽

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はリンガーランズをご紹介します。

等身大を抱きしめて

2021年始動、大学生4ピースバンドのリンガーランズ。バンド初のミニアルバム『PARADISE』は、等身大の言葉に満ちた愛おしい作品だ。

リンガーランズが歌う「あたし」はいつも、街の真ん中ではなく、隅にいる。全てが上手くいっているような顔をして歩く街の人たちや、「あたし」を好き勝手に掻き乱しては去っていく誰かをじっと見つめて、怒ったり、羨んだり、祈ったりしている。
ありのままを切り取った切実な言葉たちと、Gt.Vo. ぴサだのあどけない歌声はまっすぐに心の奥へと届き、それを包むバンドサウンドはあたたかく爽やかだ。

ミニアルバムの全てを通して、等身大の気持ちや思い出をシェアしてくれるから、ぎゅっと抱きしめたくなる。同時に、自分の中の弱さや寂しさも見せたくなる。聞かせてくれるから、聞かせたくなる。
それはまるで、親しい友人と語り明かす時間のよう。全8曲を聞き終える頃にはきっと、大学生だからこその感性で人懐こく音を鳴らすリンガーランズのことが愛おしくなっているはずだ。誰もの中にある/あった若さや弱さ、苦さ、それさえもキュートに肯定したくなる、瑞々しい作品がここにある。