『合成音声のゆくえ2』が魅せる、ポップの解釈

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BIG UP! ユーザーのリリースから、今聴きたい作品をピックアップ! 今回は『合成音声のゆくえ2』をご紹介します。

ボカロで世界を結んでいく

かの人は「ポップの役割は果てしなく広がる無知と無関心の地平に語りかけることだ」といった。つまり、本来であれば永遠に結ばれないであろう世界を結び、新たな知恵や関心に繋げていくことこそ、ポップの役目なのである。

そういった点で、ゆくえレコーズよりリリースされている『合成音声のゆくえ2』は、いろいろな角度からポップの使命を果たしている作品といえるのではないだろうか。今作は「合成音声を用いて先鋭的でキャッチーな音楽を表現するボカロPたちを集め、各々の感性で創作された珠玉のボーカロイド・ポップスを寄せ合い歴史に残る名盤を作る」をコンセプトに始動した『合成音声のゆくえ』の正統続編となる1枚。各ボカロPによって描かれたポップソングは、それぞれの特色を反映していて個性豊かだ。

民謡を彷彿させる1曲があったり、キラキラとしたアップチューンがあったり、ダンサブルなナンバーがあったり。ポップの解釈はひとつではないという事実を再確認できると共に、いろいろな世界に触れられるコンピレーションアルバムに仕上がった。