彌鏤「MiRU」が追い求める、誰かを救う音楽

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は彌鏤「MiRU」をご紹介します。

ネガティブに寄り添って

自身が音楽に救われた経験から、音楽で誰かを救うことを目標に活動しているアーティスト、彌鏤「MiRU」。高校1年生の頃に独学で作曲を開始、ボカロPとしてリリースを重ねるなかで経験を積み、現在では自ら歌唱も手掛ける。

先日配信が開始された「濁」は、自分のことを嫌いな人に向けて書かれた1曲。かねてより“遺書”や“永眠”、“死神”といった一見するとネガティブで終わってしまうテーマと向き合ってきた、MiRUらしい作品だ。

嬉しさも哀しさも持ち合わせた恋愛の二面性が描かれており、寂しげにも明るくも聴こえるコード選びは聴く人の心を映し出す。あえて明るめな音で不意に入る不協和音も、複雑な心情を表しているよう。冷え切ってしまった心を癒すのは、何も温かいものばかりでもない。同じ温度で、心が前を向くまで傍にいてくれる、MiRUが作るのはそういう音楽なのだ。