天野りんねが広げる、ふたりだけの世界
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は天野りんねをご紹介します。
音を重ねて描き出す
神奈川県出身、2000年生まれのマルチトラックメイクシンガーソングライター・天野りんね。音楽とのかかわりは幼少時代に学んだヴァイオリン、ピアノ、山田流箏にはじまり、17歳で作詞作曲、18歳からはトラックメイクもスタートさせた。
奏でる楽器の多彩さはさることながら、その生演奏と電子音の融合による化学反応の豊かさには際限がなく、それらを自在に乗りこなし、天野りんねは独自の表現を生み出していく。
2024年2月26日にリリースされた最新曲『さよなら女の子』は、天野の更なる新境地を感じられる1曲だ。
懐かしさと切なさを感じる静かなイントロの先に、浮遊感と、ひんやりとした不思議な手触りが広がっていく。儚い残響を纏ったビートは脳内で甘く響き、聞き手をも『さよなら女の子』の世界へと誘うようだ。
「ある女の子にまつわる楽曲」として生み出されたというこの歌は、音楽体験であると同時に、「ある女の子」と天野りんねの間にあった日々を追体験するような、淡くも確かな没入感を持っている。
私小説をひとつ読み終えたのにも似た余韻が残る音楽に、あなたもじっくりと浸ってみて欲しい。