愛らしさに秘められた、山口琥珀の毒

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は山口琥珀をご紹介します。

リアルなアンバランスさ

ぼくのりりっくのぼうよみに影響を受け、2020年頃から活動を開始したシンガーソングライター、山口琥珀。彼女の生み出す楽曲は、憂いを香らせるポップサウンドと甘くアンニュイな歌声の共鳴が心地よい。

先日配信が開始された「ツインレイ」は、“赤い糸なんかちょんぎっちゃってよ”という歌詞から生まれた楽曲だ。叶わない恋の未練を断ち切ろうとするも、愛されたい気持ちを手放すことができず葛藤する女の子の心情が描かれている。

曲調や歌いかたのニュアンスが可愛らしい一方で、リリックには“君の首筋を裂いた”や“未練のない言葉だけ欲しているわ”などと毒が潜む。そのアンバランスさは、表向きでは平気な顔をして自分の可愛いを守っている女の子も、中身はドロドロとした混沌を抱えていることを謳っているよう。本人が気に入っている、1:55からガラッと変わる曲調も聴きどころだ。