EZOSHIKA GOURMET CLUBが解釈する春という季節

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はEZOSHIKA GOURMET CLUBをご紹介します。

季節と感情のゆらぎを切り取る

春とは、複雑なグラデーションを宿した季節だ。ぬくもりと冷たさ、喜びと悲しみ、出会いと別れ、さまざまな二律背反がそこかしこに潜む。
2018年1月結成の3人組ロックバンド・EZOSHIKA GOURMET CLUBが、春という季節の解釈のひとつとして、シングル『水平線』をリリースした。

オルタナティブなバンドサウンドに加え、打ち込みやシンセサイザーなどの音も取り入れた軽やかな音像が特徴的な彼ら。今作は明るさと儚さを纏って繰り返される電子音のフレーズと、柔らかな起伏を持ったメロディラインがセンチメンタルを演出している。
また、前のめりに駆け出していくような春ではなく、求めていなくとも、先が見えなくとも、自然な営みとして訪れる春を静かに受け入れる姿勢が滲む歌詞の世界も印象的である。春が訪れる、ということを、手放しに喜ぶだけでは終われない誰かが抱える複雑さを尊重するような、丁寧な言葉選びが愛おしい。

今作は映画『僕のなかのブラウニー』の主題歌として書き下ろされた楽曲である。映画の世界と交差する部分も感じながら、これからの季節に寄り添ってほしい1曲だ。