緻密に重ねられたord minamiの音

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ！ 今回はord minamiをご紹介します。

映像を想起させる音楽を

シネマティックなサウンドメイクによって個性を際立たせるビートメイカー・ord minami。繊細な情景や感情を音によって描き出す楽曲群にこそ彼らしさが感じられるアーティストだ。
そんなord minamiの最新シングル『Somewhere in Time』は、同名の映画から着想を得て制作された儚く美しいムードを纏ったな1曲である。

淡くミステリアスな手触りとノスタルジックな曖昧さを孕んだ音像は、ロマンスと時間旅行を主題とした同名の映画作品から受けたインスピレーションが感じられる。四つ打ちのビートを軸としているものの、柔らかく広がる音作りによって懐かしさやくすんだ温かみが演出されており、それはまさに時代間を越えそれぞれの運命が交錯していくストーリーを想像させるような効果を発揮している。

統一感だけを追い求めるのではなく、異質な要素を重ね合わせるからこそ生まれる丁寧なグラデーションによって、ord minamiは自分だけの音を作り上げる。軽やかに、しかし重層的に積み上げられた音に心地よく心身を任せよう。