感情と音を深く見つめるYöreh

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ！ 今回はYörehをご紹介します。

過ぎていくものを愛おしむ

高知の大学で出会い、2024年4月上京のタイミングで結成された4人組・Yöreh（ヨーレイ）。Yörehとは、ヘブライ語で乾季の終わりを告げ雨季の始まりを示す言葉であるといい、彼らの音楽にはどこか透き通った心地良さがある。

2025年10月22日にリリースされた最新シングル『One day』は、「ある日」という抽象的なタイトルが表すように、人々の日々の暮らしに存在し、去来する、なにげない瞬間とその時々に宿る感情を音楽として記録しようとする試みそのものである。日本語と英単語が混ざり合い、曖昧な輪郭となった言葉たちと、爽やかな透明感を帯びながらもどこか切なさを孕んだサウンドが風のように通り抜けていく。

音も感情も、形なく触れられず、日々の一瞬を通り過ぎてしまうものだ。だからこそそれは心と溶け合い、ふとしたときに蘇る。そのたび忘れたくないと思う。
儚く尊く大切なものを繊細かつ心地よく詰め込んだ約4分間だ。ゆるやかに心身を委ねてみよう。