これまでとこれからが交差する、荒巻勇仁の新境地

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ！ 今回は荒巻勇仁をご紹介します。

心を掴む、最初のワンフレーズ

2018年から音楽活動を開始した、福井県出身のシンガーソングライター、荒巻勇仁。等身大の言葉を楽曲へ真っすぐに乗せていた時期を越えた彼は、さらに自身の内面へと踏みこみ、新たな“自分らしさ”を見出し始めている。

先日配信が開始された『Gaze』は、その渦中にいる“今の荒巻勇仁”を余すことなく味わえる作品だ。これまで磨き上げてきた一癖ある世界観やスタイリッシュな歌唱を活かした楽曲群は、「過去の自分、そしてこれから向かう未来を見つめ直す」というアルバムのテーマを鮮明に映し出していく。

特筆すべきは「最初の一音で、なんとしてもリスナーの心を掴む」という信念の強さだろう。サウンドもさることながら、どの楽曲においても冒頭の歌詞が抜群なのだ。トップバッターを飾る「monologue」なんて、オープニングにも関わらず《「終わりにしよう/こんな人生は。」》から始まるのである。そんなの惹かれてしまうに決まっているじゃないか。ぜひ最初のワンフレーズにも注目しながら、再構築された荒巻勇仁の表現を楽しんでほしい。