不穏から不屈を生み出す、平葵

PICK UPアーティスト

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回は平葵をご紹介します。

唯一無二の声で語って

沖縄県出身の音楽クリエイターである平葵(たいらあおい)。2019年より兄であるタイラトシユキとともに楽曲制作を開始し、2022年にはさらにクリエイティブの幅を広げるためメンバーに小唄が加入、現在の形となったクリエイティブグループである。
楽曲ごとにめくるめくように雰囲気を変えつつも一貫してどこかダークで文学的な空気を纏う平葵から、最新シングル『torso』が届いた。

怪しく不穏なハーモニーがこびりつくようなトラックが印象的な今作。華やかかつ儚げで、あどけなさとかわいらしさを纏いながらも冷たくざらついた平葵の歌はそれを乗りこなしがら、鬱屈から生まれる心身の分離感を鋭利な言葉として積み重ねていく。

「トルソー」というモチーフを通してはっきりと浮き彫りにされるその感覚は息苦しくリアルで、似た感情を知る人々の深い移入を呼び醒ます。しかし、ただ負の想いを吐露するだけでは終わらないのが平葵の音楽だ。苦しみやままならなさを知るからこそ生まれるエッジィなエネルギーを放出するかのごとく開かれたサビには、えも言われぬ解放感が宿る。彼女だからこそ描ける、深く凛とした1曲だ。