SAKANAMON

インタビュー

天邪鬼にロック・バンドであり続ける
10年目のSAKANAMON

昨年3月に新レーベル”TALTO”に移籍し新たな拠点で活動しているSAKANAMONが、結成10周年を記念したニュー・アルバム『・・・』(読み:テンテンテン)をリリースする。10周年にこだわった今作はアルバムの読み方が”テン”になっているほか、収録曲も10曲。他の誰も表現しない何かを目指して、天邪鬼に独自のロック・バンド像を追求し続けるSAKANAMONらしさが溢れた1枚になった。アルバムの軸となる、いまのバンドの心境をストレートに綴った「ロックバンド」や初の王道バラード「テヲフル (・・・MIX)」がありつつ、予想外のストーリーが笑いを誘う「DAVID」やTENGAとのコラボ曲「DAPPI」など、これまで以上にバラエティに富んだ楽曲の収録について、我が道を進み続ける藤森元生に話を訊いた。

-今回、アルバムとしては、どんな作品にしたいと思ってましたか?

漠然と”10周年みたいなもの”っていうぐらいですね。ベストみたいなものを作りたいなっていうのはありつつ。でも、毎回その気持ちで作ってるので、そういう意味ではいつもどおり作ったところもあるんです。何も変わらないSAKANAMONを見せるっていうことをしたかったんですよね。

-ただ、いつもどおりではありつつ、リード曲に「ロックバンド」みたいな、バンドを続けていく意志を表す曲が入ったのは、区切りの年ならではですよね?

この曲は10周年のアルバムを作ろうと思ったときに、いまだから歌える曲を1曲入れておこうみたいな意味合いで書いたんですよね。”なんで僕はバンドを続けてるんだろう?”みたいなことを考えながら書いてましたね。ただ単純にバンドが好きで、音楽が好きで、それをやりたいだけなんだなって。もちろん、たくさんの人たちに聴いてもらいたいとか、売れたいっていうのもあるんですけど。

-この曲のタイトルが”ミュージック”とかじゃなくて、”ロックバンド”であることも重要な気がします。藤森さんはロック・バンドとしての自分が好きなんだと思うし。

あぁ……、最近まで自分たちがロック・バンドだとか言ってこなかった気がするんですよ。あんまり”自分たちってなんだろう?”みたいなことを考えてこなかったから、急に自己暗示じゃないですけど(笑)、”俺たちはロック・バンドだよな?”って思いたくなって。

-かなりユニークな曲が多いですけど、藤森さんが曲を作るうえで、誰もやってないことっていうのはやっぱり大きなテーマだったりするんですか?

だと思います。そこはもうずっとそうだと思います。(他の人と)同じ土俵で戦いたくないんですよ。勝ち負けがはっきりするじゃないですか。そうすると、如実に自分のボロが出ちゃうんですよね。僕はそういうのから逃げてきた人間なんです。違うところで悠々とひとりで野放しにされていたいんですよ。みんなが切磋琢磨してるところで、自分はスキップしていたいというか。

-言い方がネガティヴに聞こえるけど、それが自分の戦い方だってことですよね。

まぁ、そうですね。それでも勝ち負けはつけられるかもしれないんですけど、他の人たちにないものを持っていられたら、それでいいんです。同じ土台で戦ってて、”あ、こっちの方がいいじゃん”ってなった瞬間に、僕の存在意義がなくなるから。”なんとかの劣化版”みたいになったら、もうやめるってなっちゃうので、自分たちが自分たちである理由を探して、なんとか生きてるって感じですね。それと、とにかく10年後の自分にも、“こいつ、10年前にもいいものを作ってたな”って思われたいから、いまは未来の自分のために頑張ります。

-では最後に、今回のアルバムは”BIG UP!”という音楽配信代行サービスを利用して配信されているということで、こういったサービスをどう思いますか?

誰も損をしないというか、お互いに無駄なものを生み出さない仕組みなのがいいと思いますね。そういうやり方が今後はどんどん増えていくんじゃないかと思います。

-これからバンドを始めていく若いバンドの子たちは、なかなかCDを出すことができなかったりするので、こういったサービスがすごく有効だと思うんですね。そういう人たちに藤森さんからアドバイスをお願いします。

うわ、責任重大だな……。えっと、こういうものに登録してる限り、誰にでもチャンスはあると思います。そこに引っ掛かってもらうために、いい曲を書くこと、あとは自信をもって出してほしいですね。SAKANAMONもそうやって続けてきてるので。

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