晋平太

インタビュー

1ヶ所でも、”負けてない!”って思える
クオリティのものを乗せた方がいいと思います

数々のMCバトルにて輝かしい戦歴を残し、2017年にはテレビ朝日系人気番組”フリースタイルダンジョン”にて、歴戦の猛者たちを次々と倒して史上初の全ステージ・クリアを達成したことで話題を集めたラッパー 晋平太。現在ではそのスキルと人間力を生かし、全国各地でラップ講座を開きフリースタイル及び日本語ラップの普及活動を行い、フリースタイルの伝道師としても活躍している。今回、自身の活動、ラップへの想いを語ってもらうとともに、”BIG UP!”を使った作品の発信についてのアドバイスも聞かせてもらった。

-2017年に”フリースタイルダンジョン”(※フリースタイルのラップ・バトルが繰り広げられるTV番組)で史上初の全ステージ・クリアを達成しており、知名度も上がっていると思います。ご自分では変化を感じてますか?

それまでにも僕のことを知ってくれてた人もいたと思うんですけど、僕の新しい履歴書として”フリースタイルダンジョンで完全制覇した人”みたいな印象にフリップすることができたっていう、それだけですよね。もちろん街中で声を掛けてくださったりとか知名度が上がったりしたことは嬉しいですし、よその世界に出ていくときにみんなが説明しやすくなったんじゃないかなって。

-今回”BIG UP!”で「ストレイト・アウタ・ダンジョン」を通常のもの以外に、トラックだけのもの、アカペラと、3つのバージョンで配信していますよね。これはどうしてこういう形になったんですか。

まずアカペラは、DJにリミックスしてもらいたかったんです。だから要はDJユース、アナログ・ユース、12インチ・ユースなんですよね。だから遊んでほしいっていう感じですね。それで練習してもいいし、ラップにビートをハメてみてもいいし。身近にラッパーがいなかったら勉強になると思うので。

-リリックに関しては、晋平太さんの歩みが感じられるようなものになっていると思いますが、いかがですか。

今僕は30歳を超えて、「主人公」でも「ストレイト・アウタ・ダンジョン」でも自分の話をしているんですけど、”俺”っていうワードはあまり出てこなくて。誰にでも当てはまる自分の話なんだけど、パーソナルな話じゃなくて、誰もがある程度共感できるものっていうヴィジョンを持って作ってるんですよね。みんな子供のころ、ドラクエやるじゃないですか? 勇者に自分の名前を付けて、”さぁ冒険だ!”みたいな。そうしたら王様に命令されてモンスターを倒しにいくっていうストーリーをこの曲で書いてるんですけど。それを疑ってみるっていうか、それは正しいのかっていうのが「ストレイト・アウタ・ダンジョン」のテーマであって。僕はラップをやるときに言いたいことなんてそんなになくて、”まずお前が決めろ、自分で決めてくれ”っていうことなんですよ。自分の人生なんだから、君が責任を持ちなさいっていう。逆に言うと、俺は俺の人生を楽しんでいるから邪魔するんじゃねぇっていう、それしか言いたいことってないんですよ。

-”BIG UP!”で自分の音楽を発信してみたい、という人にアドバイスを送ってほしいんですが、晋平太さんが自分の作品を世に出すうえで一番大事にしていることってどんなことですか?

まず、こうやって誰でも作品を出せる素晴らしい世の中ですよね。昔は審査があってとか、コネクションがあってとかじゃないと出せなかったものが、今はいきなり出せるわけじゃないですか。 それって奇跡的な状況で、逆に言えば僕らが今まで持っていたアドバンテージとか業界のコネクションとか、レコード会社っていうものすら無力になってしまうくらい素晴らしい革命だと思うんです。そういう意味でこれを使い倒した方が絶対いいし、でも一発で火を噴くなんてことは絶対ないから、それに向かってやり続けるしかないと思うんですよね。僕がCDを始めて出したときに思ったのは、タワレコに自分のCDが置いてあるときに、EMINEMのCDも売ってるわけで、EMINEMのCDを買ってもいいわけじゃないですか? その中から俺のCD買う奴いるの!? って思ったけど、そういう勝負の場なので。そういう意識っていうのはすごく大事だと思うんです。ボタンひとつで音源を上げた瞬間にもう同じテーブルに乗っているっていう。だから1ヶ所でも、”負けてない!”って思えるクオリティのものを乗せた方がいいと思います。

-晋平太さんご自身は今後どんな夢を持って活動していきますか。

自分の大事なライフワークなので、僕はラップをずっと続けます。それと同時に、僕と出会ってラップと出会って、自分のことを好きになってくれる人をこの世に増やしたいし、そのためにできる活動をし続けて、”日本一のラッパー”になりたいです。そして、成功して幸せになります、いろんな意味で。そのための一番いい武器がヒップホップ、ラップなので、それを僕は広め続けます。

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