やまもとあつしが作る、誰かの居場所

BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ！ 今回はやまもとあつしをご紹介します。

いつでも帰ってこれるから

音楽はある種、故郷のようなものだ。傍から離れることがあっても、ふらっと立ち寄るといつだって受け入れてくれる。札幌を拠点にしているやまもとあつしの音楽を聴きながら、そんなことを考えていた。

彼が音楽に熱をあげていたのは、学生時代のこと。大学の部活動に飽き足らずソロでライブ出演や路上弾き語りをするなど、音楽とクローズな生活を送っていた。いろいろな出来事が重なり自身で歌うことから離れていたが、2020年から音楽を再開したのである。
その作品は、時を越えてもなお優しく温かい。無理やり手を差し伸べるでもなく、寄り添うでもなく、そっとそこにいる。両手を広げて抱きしめてくれる音楽性こそ、彼の特徴ではないだろうか。

先日配信が開始された『ラフスケッチ』は、約8年ぶりのリリースとなる意欲作だ。自宅にて演奏・録音して、ハンドメイド感ある温度も感じ取ってほしい。