Living Ritaが持つ美しさの二面性
PICK UPアーティスト
BIG UP! ユーザーの中から、今聴きたいアーティストをピックアップ! 今回はLiving Ritaをご紹介します。
音源とライブで変わる表情
Czecho No Republicの武井優心とタカハシマイによる新たな音楽ユニット・Living Rita。二人の趣味の延長的に始まったユニットは、これまでの音楽性と大きく異なってはいるが、しっかりとバンドの延長線にもある活動だ。
夫婦である二人がじっくりと時間をかけて制作したのは、夢見心地なサイケ、ドリームポップをベースとしたベッドルームミュージック。緻密に作られた楽曲と二人だけの親密な世界を覗くような感覚は、あまりに耽美であるが故に、戻ることができない、もしくは閉じ込められてしまうような不安を覚える。まるでソフィアコッポラの映画のような、美しさといいようのない怖さ。その感覚がたまらなくいい。
しかし、そんな不安を取り除くこともできる。それが、照沼光星、松坂勇介、TAWINGSのCony Planktonを迎えたバンド形式でのライブだ。美しさはそのままに、生々しさを感じる演奏とこれまでCzecho No Republicのライブで培ったタカハシマイの伸びやかな歌声が楽曲に生命力を与えている。ライブバンドの持つポジティブなパワーは、Living Ritaにも引き継がれているのだ。音源の美しさに引き込まれた人にこそ、ライブでの高揚感を体感してほしい。